意外と知らない適切なロットの計算方法

意外と知らない適切なロットの計算方法 EA
意外と知らない適切なロットの計算方法

 

この記事では、投資・EA運用において

非常に重要な「ロット計算」について

なるべく分かりやすく説明しています。

 

これ以上、簡潔に説明するのは無理。

 

っていうレベルまで落とし込んだので

この記事を読んでも分からなかった人は、

この記事の内容が分かる様になるまで

何度も読み直してください(笑)

 

冗談抜きでそれぐらいロット計算は重要です。

 

と言うのも、通常のトレードと違い

自動売買・EAを運用する場合には、

ロット計算=資金管理に直結します。

 

このロット計算を間違えて運用すると

勝てるEAなのに、「損失製造機」になります。

勝てないEAであれば、「一瞬」で溶けます。

 

ロット計算は絶対に必要不可欠な知識です。

必ずEAの運用の際に役にも立つので

これを機に覚える事を強くオススメします。

 

適切なロットの計算方法

とりあえず、予備知識として

最初に下記の単位を覚えてください。

 

「1ロット=10万通貨」です。

 

0.1ロットであれば、1万通貨です。

0.01ロットであれば、1000通貨です。

(基本的には、0.01ロットが最小ロット)

 

で、これから「適切なロットの計算式」が

表示されますが、ちょっと覚悟してください…

字面(じづら)のインパクトがヤバめです(笑)

 

 

必要証拠金=通貨価格×基準ロット数÷レバレッジ倍率

許容損失額=資金×許容損失%

ロット倍率=許容損失額÷(最大ドローダウン+必要証拠金)

適切なロット数=基準ロット数×ロット倍率

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「いやだぁぁぁああああ!」

「むぅぅぅりぃぃぃいぃ!」

 

はい。一旦落ち着きましょう。

その気持ち、本当に分かります(笑)

 

めちゃくちゃ複雑に見えますよね…

恐らく最初は、分からない単語だらけで

少し難しいと感じるかもしれません。

 

でも、こう見えて実際の計算自体は

非常に簡単なので、ご安心を!

 

最初に大まかな流れを説明すると…

「適切なロット数」を割り出す為には、

必要証拠金許容損失額ロット倍率

3つをそれぞれ計算する必要があります。

 

それでは、各計算方法を順を追って

例題と共に詳しく説明していきます。

 

必要証拠金の計算

 

必要証拠金=通貨価格×ロット数÷レバレッジ倍率

例: 必要証拠金=140円×1ロット÷1000倍
        =14,000円

※最大1ポジションのEAでの計算です。
※両建て有りのEAの場合であっても
 片側のみの計算で問題ないです。
 (取引する証券会社にもよりますが…)

 

通貨価格は、ネットで検索すれば

すぐに分かります。(Googleで検索)

レバレッジ倍率は、実際に利用する

証券会社によって大きく変わります。

一応、オススメは、XMTradingです。

(1000倍まで取引可能なので)

 

通貨の価格(円建て)

まず、通貨の価格を知る必要があります。

1通貨あたり、日本円でいくらなのか。

 

例えば、通貨ペアが「USDJPY」の場合、

2023年現在であれば、約130円なので

$1=130円として計算します。

 

もちろん、相場は常に変動しているので

ざっくりとした金額でも大丈夫です。

 

基準にするロット数

計算上、基準となるロット数が必要です。

1ロット=10万通貨
0.1ロット=1万通貨
0.01ロット=1000通貨

 

実際に運用する際のロット数と

最大ドローダウンのロット数を

合わせておくと計算が楽になります。

 

レバレッジの倍率

次にレバレッジの倍率が必要です。

 

「レバレッジが高い=危ない」

 

って、勘違いしてる人が結構多いので

簡単にレバレッジの説明をします。

 

例えば、$1=130円の「USDJPY」を

1ロット分、取引するとします。

1ロット=10万通貨の計算になるので

「USDJPY」×1ロット=130円×100,000通貨

となり、13,000,000円が必要になります。

 

証券会社によってレバレッジは異なりますが、

XMTradingであれば、最大1000倍です。

 

資金の1000倍までの取引が可能なので、

13,000,000円÷1000倍=13,000円

となり、13,000円あれば「USDJPY」を

1ロット分、取引出来るという事です。

 

レバレッジ1000倍で「USDJPY」

1ロット分の必要証拠金=13,000円です。

 

0.1ロットであれば、1,300円です。

0.01ロットであれば、130円です。

※最小ロットは、0.01ロットです。

 

リスクも1000倍なんじゃないの?

結論から言うと、リスクも1000倍です。

本来、1ロットで1,3000,000円が必要な所を

13,000円で取引が可能になるわけなので。

 

ですが、ほとんどの海外の証券会社は、

「ゼロカットシステム」を採用してます。

 

これは、口座に入金した金額以上に

損失が出ないシステムとなっています。

 

つまり、入金した金額以上のリスクを

取る事が出来ない仕様になってます。

 

許容損失額の計算

 

許容損失額=資金×許容損失%

例: 許容損失額=100万円×50%
        =50万円

 

資金と許容損失%を決める事で

許容損失額を割り出せます。

当たり前の話ですけど、この2つは

どちらもご自身で決めてください。

 

資金量

いくらの元手で運用するのかによって

ロット数含め、全て変わってきます。

 

必ず余剰・余裕資金で運用しましょう。

 

って言っても、中には入れちゃいけない

生活費とかを入れちゃう人もいるので、

もう一度だけ、言いますよ?

 

必ず余剰・余裕資金で運用しましょう。

 

フリじゃないですからね(汗)

 

資金の何%まで損失を許容するか

次に必要なのが、許容損失の%になります。

 

例えば、資金100万円で運用して

資金の50%まで許容する場合、

許容損失額は、50万円になります。

1,000,000円×50%=500,000円

 

EAは、基本的に自動で取引をする為、

運用する際にコントロール出来る部分が

リスク管理=資金管理になります。

 

一般的には、資金量が増えるほど

許容するリスクの%を小さくします。

 

資金の100%まで許容して運用すれば

かなりのリターンが期待出来ますが、

その反面、破綻するリスクもありますので

しっかりと理解した上で運用しましょう。

 

ロット倍率の計算

 

ロット倍率=許容損失額÷(最大ドローダウン+必要証拠金)

例: ロット倍率=50万円÷(40万円+13,000円)
        =約1.21倍

 

必要証拠金と損失許容額が計算出来たら

次は、最大ドローダウンの数値を

理解する必要があります。

※すごく重要です。

 

最大ドローダウンの数値

EAにおいて最大ドローダウンは、

もっとも重要なので必ず覚えてください。

 

これは、バックテスト期間中に起こった

「最大損失幅」と言い換えても良いです。

 

EAを運用する上での明確なリスクであり、

これを基準にロットを計算する事で

資金管理によるリスク管理が可能です。

 

例えば、資金100万円を入金して

とあるEAを運用したと仮定しましょう。

 

過去10年間のバックテストの結果、

このEAを1ロットで運用した際の

最大ドローダウンは40万円とします。

 

とあるEAを運用 パターン①

最初から順調に勝ち進んでいき、

資金100万円が150万円まで増えました。

が、その後は負けが続いてしまい…

150万円まで増えた資金は、110万円に。

それからは勝ち負けを繰り返しながら

少しずつ資金が増えていき、200万円に。

→最大ドローダウンは、40万円です。

 

とあるEAを運用 パターン②

EAを運用し始めたのは良いものの

いきなり負けが続いてしまいました。

資金100万円は、60万円まで減りました。

が、その後は少しずつ勝ちが重なって

資金110万円まで回復しました。

それからは勝ち負けを繰り返しながら

少しずつ資金が増えていき、200万円に。

→最大ドローダウンは、40万円です。

 

最大ドローダウン=最大損失幅なので

これを知っておかないと許容するべき

損失額が分からない状態になります。

 

さて、最大ドローダウンが分かったので

許容損失額と必要証拠金の数値を使って

ロット倍率を計算してみましょう。

50万円÷(40万円+13,000円)=約1.21倍

となるので、ロット倍率は1.21倍です。

 

ちなみに、最小必要証拠金を計算するには

最小単位である0.01ロット(1000通貨)で

運用した際の最大ドローダウンを計算します。

 

今回の例で簡単に計算してみます↓

1ロットで40万円のドローダウンなので

0.1ロットでは、4万円になります。

0.01ロットでは、4000円です。

 

最大ドローダウンと必要証拠金を足す理由

基本的には、資金不足による機会損失を

無くす為に必要証拠金を足します。

 

これは、基本的な話になりますが、

どんな通貨ペアを取引する場合でも

絶対に必要証拠金がかかります。

 

今回の例では、1ロット=13,000円です。

 

これはかなり極端な例え話ですが、

口座に13,000円を入金すればギリギリ

「USDJPY」を1ロット取引出来ます。

(少しでも逆行したら終わります)

 

そして、資金不足による機会損失を

無くす為には下記の条件を守りましょう。

 

資金 > 最大ドローダウン + 必要証拠金

 

要するに最大ドローダウンが起こった際に

次の取引がギリギリ出来る計算です。

 

これを最大ドローダウンのみで計算すると

想定よりも早い段階で資金不足になり

取引が出来なくなるので注意してください。

 

適切なロット数の計算

 

適切なロット数=基準ロット数×ロット倍率

例: 適切なロット数=1ロット×1.21倍
          =1.21ロット

 

先ほど計算したロット倍率を

必要証拠金を計算する際に使用した

基準ロット数にかける事で計算出来ます。

 

今回は、1ロットを基準ロット数にしてます。

(最大ドローダウンも1ロットの数値です)

1ロット×1.21倍=1.21ロット

なので、適切なロット数は1.21ロットです。

 

適切なロットの計算方法(色付き)

計算の流れが分かる様に色分けしました。

逆にややこしくなってる気もしますが、

「何の数値」「何の計算」に必要かは

一応分かりやすくなったと思います。

 

ロット計算に必要な数値と計算式

まず、必要な数値と計算式をおさらい。

 

各数値

①通貨価格     → $1=140円
②基準ロット数   → 1ロット
③レバレッジ倍率  → 1000倍
④資金       → 100万円
⑤許容損失%    → 50%
⑥最大ドローダウン → 1ロットで40万円

 

各計算式

⑦必要証拠金    → ①通貨価格×②基準ロット数÷③レバレッジ倍率
⑧損失許容額    → ④資金×⑤許容損失% 
⑨ロット倍率    → ⑧損失許容額÷(⑥最大ドローダウン⑦必要証拠金
⑩適切なロット数  → ②基準ロット数×⑨ロット倍率

 

もう一度計算してみる

せっかく、色分けしたので

もう一度、計算しておきます。

 

⑦必要証拠金①130円×②1ロット÷③1000倍
      =⑦13,000円

⑧損失許容額④100万円×⑤50%
      =⑧500,000円

⑨ロット倍率⑧500,000円÷(⑥400,000円⑦13,000円
      =⑨1.21倍

⑩適切なロット数②1ロット×⑨1.21倍
        =⑩1.21ロット

 

という計算になるので、今回の条件の場合、

1.21ロットが適切という事になります。

 

この計算が合っているか確かめる為に

さくっと逆算してみますね。

 

逆算してみる

例え話とは言え、あまり気分良くないですが

最大ドローダウンが起こったと仮定して(苦笑)

上記のロット計算を逆算してみます。

 

ロット数を1.21ロットにしているので

最大ドローダウンは元々の40万円ではなく

400,000円×1.21倍=484,000円

となります。

 

少し言葉を言い換えるのであれば、

元々100万円でスタートした資金が

約半分の51.6万円になった計算です。

 

必要証拠金は、1ロットで13,000円なので

1.21ロットで再計算してみます。

13,000円×1.21倍=15,730円

となります。

 

許容損失%が50%=50万円だったので、

500,000-484,000円=16,000円

となり、必要証拠金(15,730円)以上なので

もう1回取引する事が可能となります。

 

え?必要証拠金を足す意味あるの?

少し疑問に思った人もいると思うので

もうちょっと踏み込んで説明します。

 

上記の例えであれば、50万円までの損失を

許容して残りの50万円が残っているのだから

その枠から必要証拠金を使えば良くない?

 

つまり、最大ドローダウンと必要証拠金を

足す必要って別にないんじゃない?

その方がロット上がるんじゃない?

って話です。

 

…はい。その通りです。

 

下記の条件を満たしていれば、

最大ドローダウンと必要証拠金を足さなくても

そこまで大きな支障は出ません。

 

資金 - 許容損失額 > 必要証拠金

 

先ほどの例えで考えてみましょう。

100万円 - 50万円 > 15,730円

条件に当てはまるので問題ないです。

 

では、以下の場合はどうでしょうか?

100万円 - 100万円 > 15,730円

資金に対して損失を100%許容した場合です。

左側は0円なので条件に当てはまりません。

 

この場合、最大ドローダウンが起こった後、

「最後の取引」が出来なくなります。

 

基本的に最大ドローダウンは更新されない

という想定でEAを運用するわけですが、

ちょうど過去の最大ドローダウンと

同じ損失幅に達した時に資金が0円になり

必要証拠金が足りない状態になります。

 

「最後の取引」から逆転する可能性も

もちろん、普通にあるわけですから

非常に勿体ない運用方法になります。

 

特に少額で運用を考えている方は、

それなりにリスクを取ると思います。

 

リスクを100%に引き上げる場合は、

必ず最大ドローダウンと必要証拠金を

足してからロット計算をしてください。

 

お疲れ様でした

知らない名称とか数値とか計算式とか

膨大な量の知識を詰め込んだので、

読むこと自体も大変だった思います。

本当にお疲れ様でした!

 

無事にロット計算、出来ましたか?

 

出来た方は、おめでとうございます。

この記事があなたの役立てたのなら幸いです。

 

出来なかった or まだ分からない方は、

画面を上スクロールして最初からどうぞ(笑)

と言うのは、半分冗談ですが…

 

冒頭でも少し触れた内容だけど、

これからEAの運用を考えている人は、

絶対にロット計算を出来るように

なってください。本当に大事なので。

 

休憩を挟みながら勉強してください。

最終的には絶対に分かる様になります。

諦めずに習得してください。

 

それでは、この辺で。

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

追記:ロット計算が出来ない?

今回の記事はマニアックな内容でしたが

正直言って、自動売買・EAを運用するのに

ロット計算が出来ないって論外なんですよ…

 

あ、計算出来ない人が問題って話ではなくて

計算したくても出来ないっていう話です。

 

実際、計算してくれるツールとかもあるし

どうしてもロット計算が出来ない人は、

この記事を毎日読んで勉強しながら

とりあえず、ツールで計算してください(笑)

 

XM証拠金計算機

 

で、話を少し戻すんだけど…

特にEAの場合、ロット計算しないと

資金管理が出来ないっていう事は、

この記事を読んでもらった後なら

なんとなく分かると思うんですよ。

 

なのにですよ?

 

皆さん、巷のEAをよく見てください。

ド派手なランディングページの内容を

しっかりと声に出して読んでみてください。

 

・100ロットでの運用実績を紹介

・そもそもバックテストの結果が無い

・つまり、最大ドローダウンも不明

・他にも不確実な内容ばかり…

 

どうですか?ふざけすぎですよね。

 

なんで一般向けなのに100ロットなのか。

100ロットって現実的な数値ではないです。

まぁ、不可能というわけではないですが…

有名な海外の証券会社であったとしても

50ロットまでしか対応してない所もあります。

 

それでも、悪徳情報販売業者が提示する理由は

一撃400万円!とかって表記する為です。

1回の取引でこういう金額を出すには、

ロット上げないと辻褄が合わないんですよ。

 

一撃400万円を数値化してみた

1ロットで100pips=10万円なので…

1ロットで400万円狙うには、4000pips必要です。

4000pipsって、40円の値幅ですからね(笑)

普通に考えれば、短期的には不可能です。

 

100ロットは、1ロットの100倍なので

100pips=1000万円という事になります。

100ロットで400万円狙うには、40pips必要です。

40pipsって、0.4円の値幅ですから

もし、100ロットを張れるのであれば、

かなり現実的な取得pipsにはなります。

 

でも、100ロットで運用するとなると

かなりの資金量が必要になりますし

同時に損失額も大きい訳なので(笑)

 

LPに乗ってる画像自体、恐らくデモ口座です。

 

というか、チャート画面に目立つ点線引いて

「ここからここまで取りました~!」

って、なんの証拠にもならないですよね。

 

高ロットでの取引履歴自体も同じです。

画像編集したことある人なら分かるはず。

作ろうと思えばあんなの秒で作れますよ…

 

なんでバックテストの結果がないのか。

EA制作者としては一番コレが悲しいです。

 

EA作りました→バックテストどうなの?

 

これが、本来あるべき姿なんですが…

ほとんどの巷のEAは記載してません。

単純に記載出来ないんだと思います。

恐らく、短期間で破綻するので(笑)

 

たま~に直近3ヶ月くらいの成績を

ドヤ顔で載せてるパターンもあるけど、

3ヶ月って…あまりにも短すぎます。

 

バックテストなんて簡単なんですよ?

別にフォワードテストじゃないので

MT4のストラテジーテスターを開いて

EAセットして「スタート」クリックすれば

数分後には取得出来るんですから。

 

ちなみに、バックテストはこんな感じ↓

EAのバックテスト例を見る

 

めんどくさいから記載しないって事はないし

明らかに記載したくない理由があるはずです。

しかも、ナンピン・マーチン搭載しといて

バックテスト出さないとかありえないです。

 

なんで最大ドローダウンを提示しないのか。

これは、上記のバックテストと

関連した話にはなるんだけど…

 

バックテスト出せない時点で、

最大ドローダウンも出せないです。

 

結局、最大ドローダウンが分からないと

どれくらいのリスクがあるか分からないし

ロットの計算自体が出来ないわけで…

それにお金をかけるって意味不明ですからね。

 

ひたすら、リターンばかり説明する

謎のEAに騙されない様にしてください。

 

「現場からは以上です。」

 

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