この記事では、「過剰最適化」とも呼ばれる
「カーブフィッティング」の説明と
具体的な回避方法を紹介しています。
過剰最適化(カーブフィッティング)って何?
EAの検証をしている人は、もちろんですが、
EAの購入や使用を考え、比較している人であれば
「過剰最適化」という言葉を聞いた事があるはずです。
一般的には、「過去の相場に合わせる事」、
「特定の期間にしか機能しない事」を指します。
ただ、自分としては少しニュアンスが違って…
「過去の相場に “合わせすぎる” 事」で、
「 “過去の相場” にしか機能しない事。」
これが「過剰最適化」だと考えています。
つまり、過剰最適化をしてしまった場合、
未来の相場に適応しなくなる可能性があるので
絶対に避けたいというか、避けないと危ない、
死ぬ気で回避するべき「落とし穴」…
いや、「罠」と言っても良いかもしれないです。
過剰最適化ってどんな状態?
「合わせすぎると良くない」って言われても、
あまりピンと来ないとは思うので補足すると…
過剰最適化は、誰もが陥る可能性のある現象で、
基本的には、インジケーターのパラメーター等を
過去相場に「合わせすぎる」事が、原因です。
例えば、EAの検証をしているとして、
インジケーターの数値や計算期間を変えて、
検証上、成績がすごく良くなったとします。
この時のパラメーター使用すると危険です。
ほぼ100%の確率で過剰最適化になります。
例題:ボリンジャーバンド(BB)の場合
もう少し具体的な例題で考えてみましょう。
あなたが、ボリンジャーバンド(BB)を使用した
逆張り系のEAを制作していると仮定します。
(長いから以後、BB表記でお願いします。)
例えば、BB-2σで買って、+2σで売る手法を
検証した所、成績が宜しくありませんでした。
なので、パラメーターを少しだけ変えて、
BB-1.3σで買って、+2.7σで売る仕様に
変更した所、かなり成績が改善しました。
はい。これが、THE「過剰最適化」です(笑)
これは、ちょっと極端な例になってますが、
BBを使用する場合、±σ(シグマ)の値は、
±0.5刻み、且つ、対称にするのが一般的です。
(±0.25刻みは、ナシよりのアリだと思います。)
上記の例みたいな非対称の値にするぐらいなら
いっその事、「売り限定」のEAにした方が
まだ機能しそうです。(逆でも良いけど…)
過剰最適化を回避する方法
お待たせしました。ここからが本題です。
何度も言いますが、そもそもの大前提として
過剰最適化は、絶対に避けるべきです。
というか、避けないと未来の相場に対して
使えないポンコツEAが爆誕します(汗)
では、どうやって回避するかですが、
具体的には、2つの方法があります。
一般的なパラメーターを採用する
とりあえず、一番手っ取り早い方法は、
「一般的なパラメーター」で縛る事です。
(以後、「一般パラ」でお願いします。)
先ほどの例題、BBの±σ(シグマ)もそうですが、
どのインジケーターにも「一般パラ」が存在します。
例えば、「MA」・「移動平均線」で説明すると
MA25、MA50、MA100などが、「一般パラ」です。
大体の場合、MAのパラメーターは、5刻みですよね。
もちろん、MA14とか、MA72とか例外も存在します。
でも、これは有名だったり、利用者が多ければ
「一般パラ」という位置付けで考えてOKです。
要するに、MA89とか、MA199みたいな
半端な値は避けて、MA90、MA200にしましょう。
これだけで過剰最適化を避ける事が可能です。
※仮に、半端な値で成績が上がったとしても
どうしても過剰最適化の可能性がある以上、
そのパラメーターは使用しない方が良いです。
利確・損切を最後に決める
利確・損切などの決済周り、Pips周りを
一番最後に最適化する方法になります。
この方法もかなりシンプルですが、
めちゃくちゃ効果的なのでオススメです。
例えば、利確が100pipsで損切が50pipsで
ある手法(EA)を検証していたとします。
これが、どんなに単純な手法であっても
実は、この時点でフィルターが入っています。
はい。利確と損切は、フィルターなんです。
変動している相場に対して固定値ですから、
当然、利確と損切を入れる場合と入れない場合は
結果が大きく変わってくるわけです。
※利確と損切を少し工夫して変動値にしても
結局は、フィルターの役割を果たします。
なので、基本的に検証する際には、
利確と損切を最初から設定せずに
1つの手法(インジケーター)のみで
エントリーとエグジットを設定しましょう。
こうする事で、手法自体の性能であったり、
機能であったり、各通貨ペアとの相性などが
より深いレベルで理解できるようになります。
落とし穴からしか見えない景色がある
「過剰最適化」は、避けるべきなんですが、
EAの検証をする上で、役に立つ場合があります。
一体、どういう事?って思いますよね(笑)
実は、視点が変わる事で可能性が広がります。
例えば、EAを最適化している段階で、
めちゃくちゃ半端な値が出たとします。
最初は、MA20で考えていたんだけど、
最適化したら、MA92の方が良いみたいな。
もちろん、このMA92という値は、
「一般パラ」ではないので使えませんが…
MA90であれば、問題なく採用できます。
つまり、想定していたMA20とは全然違う、
MA90という値を取得出来たって事です。
どうですか?可能性、広がりませんか?
MA20にこだわっていたら辿り着けなかった
MA90に辿り着けたのは過剰最適化のおかげです。
「馬鹿と鋏は使いよう」って奴です。
(ん?ちょっと違うかも???)
まとめ
今回は、「過剰最適化」について
説明しましたが、いかがだったでしょうか?
一般的な解釈から、変わった活用方法まで
幅広く紹介出来たと自負しております(笑)
少しでも、あなたのお役に立てたなら幸いです!
では!素敵なEAライフをお過ごしください♪
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